フランス

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インタビュー

ブックフェア/文芸
フェスティバル

2005年から、リヨンでは4月にスリラー小説、推理小説、犯罪小説のファンのための「Quai du Polar」フェスティバルが開催されています。長い間マイナーなジャンルと考えられてきた推理小説は、今ではフランスで最も人気のある文学ジャンルの1つです。フェスティバルでは世界中の作家が作品を発表したり、ファンのためにサインしたりします。さらに専門家によるカンファレンス、監督自身による映画の上映、家族みんなで楽しめるゲームやエンターテインメント、コンサートや演劇など、ジャンルに関連した多くのアクティビティが催されます。

毎年5月に開催される「Étonnants Voyageurs」フェスティバルには世界中から約250人の作家が参加し、この3日間のために約6万人の来場者がサン・マロを訪れます。1990年に設立された「Étonnants Voyageurs」では、集い、討論会、文学カフェ、映画上映会、展示会などの充実したプログラムが一斉に行われます。フェスティバルの期間中には複数の賞が授与されます。

「Paris Book Festival(パリ・ブックフェスティバル)」には3日間で350人近くの作家や大小さまざまな版元が集まり、大勢の読者を迎えます。約40年前に最初の「Paris Book Fair(パリ・ブックフェア)」が行われたグラン・パレ・エフェメールで毎年4月に開催されます。このフェスティバルは、家族向けのワークショップ、芸術パフォーマンス、コンサート、作家と読者の集いを通じて、フランスの出版の多様性と作家の創造性を促進します。

モントルイユの「Children’s Book Fair(児童書フェア)」は、250人を超える招待作家、ヨーロッパの児童挿絵展示会、約450の出展者、大小の版元、出版社、協会、読書団体などが参加して多様な形で開催される、大規模な文学祭です。フェアのプログラムは児童書に特化しています。11月から12月まで、来場者は文集・画集、小説、コミック、ドキュメンタリー、マンガ、雑誌などとの新たな出会いを楽しめます。

アングレームで1974年から毎年開催されている漫画祭は、ヨーロッパで最も重要な漫画の祭典と考えられています。毎年1月、約20万人の来場者がこの4日間にわたる祭典に参加します。加えて、有名な漫画作家がフェスティバルに招待されます。街全体で開催され、さまざまな地区でイベントが行われることから、アングレームはフランスの「漫画の街」となりました。

文学賞

「Prix Médicis(メディシス賞)」は毎年11月に、才能に見合った名声をまだ得ていない作家に授与されます。フランス語の小説作品に贈られるこの賞は、1958年にギャラ・バルビザンとジャン・ピエール・ジロドゥによって創設されました。1970年には、翻訳出版された本を表彰する「Prix Médicis étranger(メディシス賞外国小説部門)」が追加され、その後、随筆などのノンフィクション作品を対象とした賞も追加されました。

「Prix Décembre(デサンブル賞)」は、1989年から毎年、フランス語の小説、短編小説、随筆に贈られているフランスの文学賞です。受賞者の選考は、メンバーが定期的に入れ替わる12人の審査員によって行われます。後援者の交代によって賞金は近年減少しており、2021年以降は1万5,000ユーロが授与されています。

フランスの文学賞である「Prix Goncourt(ゴンクール賞)」は、1903年からゴンクール・アカデミーによって授与されています。ゴンクール賞は当初、その年の最も優れたフランス語小説のみを表彰していましたが、現在は他に4つの部門で賞が用意されています。現在の賞金は象徴としての10ユーロのみですが、ゴンクール賞は作品の売上に大きな影響を与えるため、作家の間で高く評価されています。

「Prix Femina(フェミナ賞)」は、雑誌「ラ・ヴィー・ウールーズ」(現在の「フェミナ」誌)の寄稿者によって1904年に創設された文学賞です。この賞は、女性および男性が散文または韻文で執筆したフランス語の作品を表彰しますが、審査員は女性だけです。受賞者は毎年11月の第1水曜日に発表されます。

1926年にジャーナリストや文芸評論家らによって創設された「Prix Renaudot(ルノードー賞)」は、有力週刊紙「La Gazette(ラ・ガゼット)」の創設者であるテオフラスト・ルノードーに因んで名付けられました。ルノードー賞は毎年パリのレストランで行われる授賞式において、前年に出版された優れたオリジナル小説の著者に贈られます。随筆やペーパーバック、高校生の読者賞など、さまざまな部門の賞もあります。

翻訳賞

2017年、SGDL(société des gens de lettres、文学者協会)の「Translation Revelation Prize(翻訳発見賞)」が創設されました。「Prix SGDL Révélation」の8つの賞の一部です。審査員はSGDL委員会のメンバーである作家と翻訳者で構成されます。2,000ユーロが授与され、翻訳される言語を問わず新進気鋭の翻訳者によるフランス語への翻訳が表彰されます。

小西国際交流財団は、1983年11月の設立以来、日本とフランスの文化交流に積極的に取り組んできました。 「日仏翻訳文学賞」は1993年に創設され、フランス語から日本語へ、そして日本語からフランス語へ翻訳・出版された優れた作品を表彰しています。

Inalco(Institut national des langues et civilisations orientales、国立東洋言語文化学院)の「Vo-Vf Translation Prize(Vo-Vf翻訳賞)」は、Inalcoで教えられている103の言語のいずれかからフランス語に翻訳された、フランス国内で出版・流通している作品を表彰します。2019年にVo-Vfフェスティバルと提携して賞を創設したInalcoの目的は、翻訳の専門性に光を当てるとともに、世界の文学の間で交わされる対話において翻訳者と出版社が果たす役割を評価することです。賞金は2,500ユーロです。

1981年に創設された「Prierre- François Caillé Prize for Translation(ピエール・フランソワ・カイエ翻訳賞)」は、出版業界で仕事を始めて間もない翻訳者に授与されます。French Society of Translators(フランス翻訳者協会)がピエール・フランソワ・カイエに敬意を表して創設しました。この賞は意欲的な才能の奨励を目的とし、3,000ユーロが贈られます。候補となるのは、翻訳出版された作品が3作までの翻訳者です。

2011年に創設された「Grand Prix SGDL de traduction」は、出版された作品の翻訳者を表彰します。Société des Gens de Lettres(文学者協会)から6,000ユーロの賞金が贈られます。2017年には「Grand Prix pour l’œuvre de traduction」が6,000ユーロの賞金を後継し、言語を問わず優れた翻訳者の作品に贈られるようになりました。その年に出版された翻訳とは必ずしも結びつきません。2019年からはフランス文化省がこの賞に共同で資金提供しており、1万5,000ユーロが授与されています。

文芸レジデンス

フランス語から外国語への翻訳者のためのこのレジデンスの目的は、フランス語またはフランスの言語のいずれかから外国語へのプロ翻訳者ネットワークを構築できるように、フランスに滞在して翻訳プロジェクトを行う機会を提供することです。レジデンスの助成額は月2,000ユーロで、翻訳者は最大2か月間滞在できます。

Centre national du Livre(国立書籍センター)は、作家、挿絵画家、脚本家、翻訳家のための複数のレジデンシーを提供しています。レジデンシーの目的は、ホスト組織と共同開発されたメディエーションプログラムに参加しながら作家が創作活動を追求できるようにすることです。選択するレジデンスのタイプによって、条件が異なります。

Villa Gilletはリヨンのセリセ公園内にあります。ヨーロッパと世界の現代文学センターであり、何よりもまず国際会議、文学的な対話の場であり、公共空間における作家の新たな関与の形でもあります。レジデンシーを通じて、作家、思想家、芸術家に声を上げられる場を提供します。レジデンシーは8つあり、多様な文化分野の国際プロジェクトや青少年プロジェクトを支援しています。

書籍と映像の地域機関であるCiclic Centre-Val de Loireは、サントルヴァルドロワール地域と国との協力から生まれた公共文化サービスを実施しています。クリエイターたちとともに作品の実現に向けて尽力するこの機関は、ライティングレジデンシー、アニメ制作スタジオ、プロジェクト実現を後押しする財政的支援などを通じて、地域でのアーティスト、作家、映画製作者の存在感を高める取り組みを行っています。2014年からは、関連する作家への支援計画により、サントルヴァルドロワール地域の会場と提携する作家を対象としたレジデンシー助成金の授与が可能になりました。

Maison des écrivains et de la littératureは、作家のレジデンシーのデータベースを提供し、期間、財政状況、場所、対象読者、プロジェクトなどの多様な状況を反映させています。一般的には依頼されたテキストの有無にかかわらず創造的なプロジェクトが含まれ、ミーティングやワークショップなどを伴う文化的なプロジェクトが高い頻度で含まれます。一部は常設で、多くの場合独自の歴史的な場所に設置されます。一部のレジデンシーは会場を提供しませんが、プロジェクトを通じて作家と会場を結び付けるアプローチとして理解されます。

最近日本で出版された
タイトル

『夜の少年』

ローラン・プティマンジャン(著)
松本百合子(訳)
早川書房(2022)

『ビトナ : ソウルの空の下で』

J・M・G・ル・クレジオ(著)
中地義和(訳)
作品社(2022)

『共犯者』

ローラ・ラフォン(著)
金丸啓子(訳)
早川書房(2022)