スロベニア

Aerial view of the National and University Library designed by Joze Plecnik, Ljubljana, Slovenia

記事

スロヴェニアの独立は1991年のことである。今年スロヴェニアは、欧州連合(EU)加盟20周年を迎える。さまざま国の一部であった歴史が長いスロヴェニアは、その間、言語、文学、文化を自力で守り続けてきた。スロヴェニアでは、翻訳文学作品が盛んに読まれているが、これは、ヨーロッパや世界の他の国々の文学に触れる機会を作家に与えるものだった。昔も今も作家の多くは、現役の翻訳家でもある。そのためスロヴェニアには、いつの時代も世界文学に見られるほとんどの潮流、スタイル、形式、ジャンルがそのまま入ってきていた。

インタビュー

ブックフェア/文芸
フェスティバル

詩人、散文作家、劇作家、随筆家の集いである「Vilenica International Literary Festival(ヴィレニツァ国際文学祭)」は、Slovene Writers’ Association(スロベニア作家協会)がセジャーナのCultural Centre Vilenica(ヴィレニツァ文化センター)と共同で主催しています。この祭典は毎年9月にリピツァとスロベニアの他の会場で開催されます。1986年の第1回ヴィレニツァ国際文学祭以来、このイベントのクライマックスを飾るのが「Vilenica International Literary Prize(ヴィレニツァ国際文学賞)」の発表です。この賞はスロベニア作家協会の規定に基づき、文学と随筆の分野で優れた業績を残した中央ヨーロッパの作家に贈られます。

「Balkan Anarchist Bookfair(BAB、バルカン・アナーキスト・ブックフェア)」は、バルカン半島におけるアナーキストと反権威主義運動の共同プロジェクトです。このプロセスを円滑に進めてインフラを整える責任は現地主催チームにありますが、世界中から集まる参加者と彼らの貢献こそがこの集いの重要な要素です。BABはあらゆるレベルで、反権威主義的な自己組織化と連帯というアナーキストの原則に従って開催されます。本と専門家が集まる露店だけでなく、7月中はさまざまな集いやワークショップ、議論のためのオープンスペースも用意されています。

1993年から毎年11月にAssociation of Book Publishers(書籍出版協会)によって主催されている「Slovenian Book Fair(スロベニア・ブックフェア)」は、国内で最も歴史が長く、最も大規模かつ重要な図書イベントであり、100を超える出展者が参加して300以上の付随イベントが行われます。この6日間にわたるフェアでは、最新の出版物が紹介され、有名な作家や挿絵画家が登場し、人生を一変させる本についてのディスカッションが行われます。舞台となるのはCankarjev domカルチャー・アンド・コングレス・センターのオープンステージとホールです。

文学賞

Slovenian Union of America(スロベニア・ユニオン・オブ・アメリカ)は、スロベニアの遺産を守るために尽力しています。スロベニアの文化とコミュニティを維持する上で、著述は重要な役割を果たしてきました。「SUA Slovenian Literary Award(SUAスロベニア文学賞)」は、この伝統を継承する人々を称えるために2019年に創設されました。この賞は書籍が出版された作家だけでなく、未出版の作家も対象としています。

「Best Short Story Award(最優秀短編小説賞)」は、正しく評価されていないと思われる文学ジャンルを表彰するために、スロベニア作家協会とSodobnost International Cultural Society(Sodobnost国際文化協会)によって立ち上げられました。2005年に創立され、毎年「Slovene Book Days(スロベニア・ブックデイズ)」で発表されています。受賞した短編小説には1,000ユーロの賞金が贈られ、他の複数の最終候補作品とともに「Sodobnost」誌に掲載されます。

「Blue Bird Award(ブルーバード賞)」は、Mladinska knjiga Group(ムラディンスカ・クニィーガ・グループ)が2012年から隔年で授与している、未出版の最も優れた文学作品に贈られる賞です。隔年で開催されるスロベニアの作家を対象としたコンクールでは、大人や若者向けの小説など、特定の文学ジャンルに焦点が当てられます。受賞者には約1万2,000ユーロが授与され、受賞作品の出版支援も提供されます。

翻訳賞

「Sovretova Nagrada」は、特に成功したスロベニア語への文芸翻訳に対してSlovene Association of Literary Translators(スロベニア文芸翻訳者協会)が授与するスロベニア文芸翻訳賞です。古典文献学者で翻訳家のAnton Sovreに因んで名付けられたこの賞は、1963年に初めて授与され、スロベニア文芸翻訳者協会が提供する5つの賞の中で最も長い歴史を持ちます。協会では作品がノミネートされた翻訳者のリストの保存も行っています。

2008年以来、スロベニアのスペイン大使館は、スペイン語からスロベニア語への最も優れた翻訳に隔年でEsAsi賞を贈り、3,000ユーロを授与しています。プロの翻訳者を対象としたEsAsi賞とは別に、若手翻訳者を対象としたEsAsi賞も用意されており、こちらには1,000ユーロが贈られます。この賞の目的は、翻訳者の仕事を表彰し、スペイン文学に対する知識と理解をスロベニアの読者に深めてもらうことです。

翻訳家であり詩人であり文学研究者であるファビアン・ハフナーに因んで名付けられた「Fabjan Hafner Translation Award(ファビアン・ハフナー翻訳賞)」は、2017年にリュブリャナのゲーテ・インスティトゥートがオーストリアのクラーゲンフルトにあるMusil Institute(ムージル協会)とLiterary Colloquium Berlin(ベルリン文学コロキウム)と共同で創設したものです。スロベニア語からドイツ語、その逆の翻訳を表彰するこの賞には、ベルリン文学コロキウムでの1か月間のフェローシップが含まれます。賞金は4,000ユーロです。

文芸レジデンス

2015年にユネスコ文学都市となったリュブリャナでは、International Centre of Graphic Arts(国際グラフィックアートセンター)の一部であるŠvicarija/Swisshouse Creative Centreにおける1か月間のレジデンシーを作家に2回提供しています。このレジデンシーの対象は、他のユネスコ文学都市のいずれかとの間に辿ることのできる結びつきがあり、作品が出版されている、海外の作家です。応募者は自身の言語で1冊以上の小説を出版している必要があります。レジデンシーの対象者にはそれぞれ、助成金と旅費の合計額が授与される他、クリエイティブセンターでの公共プログラム、スタジオ施設、協力の申し出を利用する機会が与えられます。

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