ラトビア

Castle of Light, National Library of Latvia, Riga, Latvia, exterior

記事

“ラトビア人は内向き”——ラトビア文学を国外に発信するプラットフォームLatvian Literatureは、そんなロゴを掲げつつラトビア文学翻訳者会合を主催し、毎年の新人作家や話題作の紹介、出版社との交流の場を与え、私もそこに交じって学んでいる。

インタビュー

ブックフェア/文芸
フェスティバル

「Prozas lasījumi」は散文に焦点を当てた国際文学祭として毎年12月にリガで開催されています。朗読会はラトビアの作家Andrejs Upitsの生誕100周年を記念して1977年に始まりました。ラトビア文学がエストニアとリトアニアの文学と出会うイベントであるバルト朗読会など、確固たる伝統がいくつも確立されています。さらに、参加型の児童文学朗読会には毎年若い読者たちが集まります。

最初の「Poetry Days(ポエトリー・デイズ)」は、ラトビアの詩人ヤニス・ライニスの生誕100周年を記念して1965年に祝われました。「ポエトリー・デイズ」のイベントはリガだけでなくラトビア全土で行われています。この祭典は通常9月に約21日間にわたって行われ、詩の朗読会や詩人本人との集いがあります。

「Punctum Festival」は、文芸誌「Punctum」が8月に主催する文芸イベントのプログラムです。2017年から開催されているフェスティバルには異なる文化分野の代表が集まり、数々の学際的イベントが催されます。フェスティバルの目玉は、詩の朗読、散文の朗読、ワークショップ、読書療法に関する講演、インクルーシブな文学に関するディスカッションです。

毎年5月にイェルガヴァで開催される国際的な詩の祭典「Page Break(ページ・ブレイク)」には、世界的に有名な詩人が集まります。ポエトリー・ウォークや音楽と詩の共生を通じて、詩とその可能性にさらに目を向けるように受け手に促すフェスティバルです。フェスティバルの一環として、参加するすべての作家の作品とそのラトビア語翻訳を掲載した特別詩集が出版されます。

毎年2月になると、リガの国際展示場Ķīpsalaは、作家、翻訳者、出版社、読者が集う刺激的な本の町に変身します。Ķīpsalaでは3日間にわたって1年で最も重要な本のイベント「International Book and Publishers Exhibition Latvian Book Fair(国際書籍出版社展ラトビア・ブックフェア)」が開催され、ラトビア国内外の版元からさまざまな本が集まります。

文学賞

2010年以来、Liepaja Culture Board(リエパーヤ文化委員会)は「Krasta laudis」賞の授与を主催しています。ラトビアの最も優れた文学作品を表彰する毎年恒例のコンクールです。この賞は伝統的にラトビアの作家で映画脚本家であるEgons Līvsに敬意を表して授与されます。「Krasta laudis」記念賞は、最も優れたラトビア語のオリジナル散文文学作品と、学生による最も優れた文学作品の2つの部門で授与されます。

2005年に創設された「Baltvilka Balva」は、Latvian Council for Children and Youth Literature(ラトビア児童青少年文学評議会)によって授与されます。毎年異なるメンバーが審査員として選ばれます。児童文学の特別な業績を表彰する賞です。受賞者にはアーティストのInese Brantが制作した賞と賞金が贈られるほか、International House of Writers and Translators(国際作家翻訳家会館)に1か月間居住して仕事に取り組む機会が与えられます。

文化分野の公共メディア賞である「Kilograms of Culture」は、ラトビアの文化的生活プロセスへの公共メディアの積極的な関与を支持します。2012年から、ラトビアテレビとラトビアラジオによって異なる賞が授与されています。文学を含む10部門の受賞者を審査員が推薦します。ファイナリストは春、秋、冬の3回の投票で視聴者と聴取者によって選ばれます。

「Annual Latvian Literature Award(LALIGABA、年間ラトビア文学賞)」は、ラトビアの文学界における1年で最大のイベントです。イベントでは、前年にラトビアで出版された文学作品に対する専門家の評価が定まり、最優秀作品の著者が表彰されます。各部門の受賞者には賞金の他に賞を象徴するLALIGABAランプが贈られます。

「Dzintars Sodums balva」は、優れたラトビアの作家であり翻訳家であるDzintars Sodumsを記念して、詩、散文、演劇の革新性を評価されたラトビア人作家、またはラトビア語への文芸翻訳家に授与されます。ラトビア文学と翻訳の革新を称えるこの賞の賞金は約4,300ユーロです。

翻訳賞

2005年に創設された「Baltvilka Balva」は、ラトビア児童青少年文学評議会によって授与されます。2008年からは、ラトビアの作家と図書アーティストに加えて、その年の最も優れた翻訳外国児童文学の著者(バルト海地域の作家とその翻訳者)が表彰されています。受賞者にはアーティストのInese Brantによる作品と賞金が贈られるほか、国際作家翻訳家会館で1か月間仕事に取り組む機会が与えられます。

「年間ラトビア文学賞」は、詩、散文、児童文学、デビュー作、翻訳の部門で授与されます。翻訳賞は外国文学の最も優れた翻訳を表彰します。国際作家翻訳家会館とLatvian Writers’ Union(ラトビア作家組合)が主催しています。

2005年以来、国際作家翻訳家会館は、ベントスピルス市議会と協力して「Sudraba tintnīca」を授与しています。この賞は詩、散文、ラトビア語への翻訳またはラトビア語からの翻訳作品を表彰します。賞の目的は、最も優れた文学作品を表彰し、作家と翻訳者を称えることです。900ユーロの奨学金と会館での4週間の滞在が提供されます。

文芸レジデンス

Sigulda Culture Centre(スィグルダ・カルチャーセンター)は、文学作品の作家と挿絵画家に共同プロジェクトへの応募を呼びかけています。「Sigulda Creative Residency(スィグルダ創作レジデンシー)」プログラムは、マルチメディアアーティストの組合であるOrbītaによって2021年12月に立ち上げられました。目的は文芸作家と挿絵画家の創造的な共同作業をサポートし、奨励することです。レジデンシーには2週間の滞在、助成金、郡の教育機関における2つのワークショップへの招待が含まれています。

ラトビア作家組合は1940年から活動している団体です。 ラトビア国内外在住のプロのラトビア人作家、文学研究者、評論家、翻訳家が集まっています。Dubulti Writers’ Houseはラトビアで最も長い歴史を持つ、作家のためのレジデンスです。ラトビアで最も人気の高いリゾートの中心部に位置しており、隣にある小道はラトビアの偉大な詩人アスパジヤが毎日散歩して作品のインスピレーションを得た場所です。作家たちには、この静かで快適なレジデンスの個室が割り当てられます。

ベントスピルスにある国際作家翻訳家会館の目的は集いの場を提供し、文化間の対話を創出してラトビア文学を国際交流の1つの手段とすることです。国際作家翻訳家会館では、プロの文芸翻訳家と作家に、最大4週間滞在してフェスティバルやセミナーなどの文化プロジェクトに参加する機会を提供しています。

最近日本で出版された
タイトル

『メタル’94』

ヤーニス・ヨニェヴス(著)
黒沢歩(訳)
作品社(2022)

『キオスク』

アネテ・メレツェ (著)
黒沢歩(訳)
潮出版社(2021)